遅まきながら、アニメ化第一期が放送され、第二期の製作発表もされた「シャドーハウス」について情報を集めよう。
基本情報
不思議な洋館「シャドーハウス」に暮らす、生き人形とシャドー達のファンタジーのようなミステリーのような、メイド要素や萌え要素などなどが織り交ざったフシギなお話「シャドーハウス」。顔のないシャドーという人間の形をした不思議な存在がキーになって、徐々に謎が明らかになっていく。ゴシックミステリーと銘打っている。
原作マンガの作者さん ソウマトウ
原作はヤングジャンプに連載中の同名マンガ。原作者のソウマトウは「ひっし」と「のり」という二人のユニットの名前である。
https://natalie.mu/comic/artist/11003
ソウマトウインタビュー記事から
ソウマトウの仕事内容の紹介に良い記事を見つけたのがこちら。
自らもとことん参加、ソウマトウが語るアニメ「シャドーハウス」スピード感ある制作の舞台裏 - コミックナタリー 特集・インタビュー
紹介にはよく原作・デザイン担当ののりと、作画担当のひっし、というように簡単に書かれているが、このインタビューを読むと実はそれほど単純な分割作業ではなく、二人で協力してマンガを製作しているのがわかる。
──おふたりはどういう役割分担をしてマンガを作っているのでしょうか? たとえば「シャドーハウス」1話分を作る際の流れを教えてください。
まずのりが全体の流れを話して、ひっしとすり合わせしたうえでプロットとしてまとめます。それをもとにひっしが作ったミニネームでのりが編集者と打ち合わせをし、さらにひっしが本ネームを作成してまた編集者と打ち合わせしてから下書きへ。その下書きをひっしがチェックして新キャラクターや背景や小物、扉絵のデザインをします。そしてひっしがペン入れ、のりがキャラクター周りのアシスタント作業をし、最後にひっしが総仕上げをして原稿は完成です。あと提出間際にのりがセリフの最終調整をしますね。
このように、のりさんは原案だけではなく、ネームの練り上げから、アシスタント作業、そしておそらくプロデューサ的仕事までこなしているものと思われる。もともとはのりさんがグラフィックデザイナー、ひっしさんががマンガ家のアシスタントだったところへ、のりさんが会社を辞めたタイミングで、「自分が話を作るから描いてくれ」とひっしに頼んだのがマンガ活動のきっかけだそうだ。お二人の性別は公開されていない。絵柄やお話などから推察するに、おそらくは二人とも女性だろうか。
シャドーハウスの着想はどこから得たのたろうか?
のりが服屋でトルソーをボーッと見ているときに突然ひらめきました。あとはひっしの得意な服や背景、2人の共通の趣味である建築物や変な舞台での日常といったものの寄せ集めです。
──思いついても、メインキャラクターを真っ黒にするというのは勇気が必要だったのでは。
マンガ家って表情を描くのが仕事みたいなところがありますが、「シャドーハウス」では表情以外で感情を表現できないかなと思ったんです。のりは「小説ならできるんだからマンガでもできるだろう」という安易な考えもありましたし、ひっしはキャラクターの顔を描くのが嫌いなんですよ(笑)。ずっと「服や背景ばかり描いていたい」と言っているくらいで。もちろんキャラクターもかわいく描こうとしていますが、自発的に描きたいという気持ちはないんです。
なんと、ひっしさんはキャラの顔を描くのが嫌い!というのは衝撃である。顔を描くのではなくススで、感情を描くようにできるシャドー設定だったのか。服や背景を描くのが好きなのね。
そして、シャドーハウスに詰め込んだテーマを披露してくれています。
──さらに過去作の「黒-kuro-」は「シャドーハウス」につながる部分がある気もするのですが、「ギリギリアウト」は作風としては意外だったので、編集の方の興味があるテーマやジャンルから手探りし始めるという話は腑に落ちました。
でも、気付きにくいかもしれませんが「黒-kuro-」や「ギリギリアウト」で描いたテーマはけっこう共通しているんです。変な舞台での日常、人ではない奇妙なキャラクター、不穏、アクション、シュールギャグ、家族愛、トラウマからの解放、民間信仰……パッケージを変えているだけで、「シャドーハウス」もそれらと原材料はだいたい同じですね。
作者自身が、作品のテーマや要素について語っていただいたので、わざわざこちらからテーマについて語るというのはやりにくくなってしまった。不穏、奇妙な世界の日常、シュールギャグ、などなど。付け加えていうなら、作者が作ったキャラクター達から滲みだす人柄の良さ、キャラの明るさ、エログロを描くことをしない品の良さ、などといった特徴もこの作品にはある。
そしてストーリー展開について、お披露目のエピソードは当初3話で終わる予定だったという。
ただ各エピソードはどのくらいの尺を取るかは描いてみないとわからなかったり、キャラクターの関係によって変更されたりするエピソードもあります。例えばお披露目なんて当初は3話程度で終わらせる予定でしたし。
担当さんはわくわくできる少年誌っぽいものが好きな人なんですが、「庭園に行くなら庭園の地図が欲しいです」と言われたんです。でも何も考えていなかったので、それから1日かけて庭園の地図とギミックを全部作りました(笑)。
なんと、あの庭園の地図や仕掛けを一日で作ったのか。恐るべし。のりさん。次回作はギャグマンガを描きたいらしいが今後のシャドーハウスだけではなくそちらも期待したい。
シャドーハウスの応援・考察サイトがすごい
シャドーハウスの考察サイトは多数ある。主な物を紹介する。
こちらはシャドーハウスの紹介と解説についてよくまとまっている。
こちらは主に原作マンガを考察しているブログ。第1巻が出るあたりからブログを「シャドーハウス」のみにしぼって記述。解説・考察が深い!
ケイトの秘密について。
『シャドーハウス』ケイトの秘密とは?エミリコとの関係性やシャドーの正体に迫る! | ciatr[シアター]
こちらはアニメの考察ブログ。原作未読の人にとってはこちらの方がみ返したり、アニメの謎について考えるのに参考になるかな。
シャドーハウス1話感想・考察・解説!生き人形は作られた人形なのか
こちらの方はシャドーハウスに出てきた文字を解読、手紙の内容を読んでいた!
#シャドーハウス 文字の解読に成功しました!
— こさめ@シャドーハウス考察 (@vrz_kosame) 2021年4月19日
考えないノートと漫画で出てきた未解読文字を解読すると驚きの結果に!?#2021年春アニメ
👇YouTubeはこちら👇https://t.co/gC5IsQiLLW pic.twitter.com/KyLuEHC6k3
まだあるいろいろな情報
「エミリコ」の名前の由来について。原作では特に説明されていなかったようですが、アニメ版第一話で、ケイトが読んでいた小説の主人公エミリーにちなんでエミリコとなったと説明されていました。
シャドーハウスに出てきた庭園のモデルに関しての考察。ここのブログは
本当に詳しく調べています。
来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~ : イングリッシュガーデン
そして、今だから言えることですが原作マンガのシャドーハウスには一時期打ち切りの危機があったようです。これはまだ、アニメ化が発表される前、だいたい2019年の12月以前あたりのようです。ここら辺の事情について説明するWebがありました。
【悲報】ヤンジャンのあの漫画、打ち切りの危機により全話無料配... - Yahoo!知恵袋
しかし、全話無料配信したりした拡販の努力の結果、単行本も売れて、アニメ化の話も立ち上がって、打ち切りの危機は回避されたようです。よかったですね。
こちらのブログでも書かれています。
来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~ : 長く助走をとった方が より遠くに飛べるって聞いた
来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~ : 諦めてなかったソウマトウ先生
シャドーハウスの序盤のストーリー展開は、シャドーハウスの日常を描いていくものでした。これが掲載誌であるヤングジャンプの色とあっていたのか、このような構成がよかったか悪かったか、というと結果から見て、私はブログ主さんと同じで成功していたと思っています。結果論ですが。
シャドーハウスの魅力
アニメ猫からみたシャドーハウスの魅力を述べると、独特の雰囲気を持つゴシックミステリー。徐々に明らかになっていくミステリー仕立てのファンタジー。そしてカワイイキャラクター達。女の子も男の子もかわいくて好感が持てるキャラクター達ですね。
設定は子どもを奴隷のように扱い、最後には乗っ取るというダークファンタジーみたいな設定なのに、エログロ、残酷表現は描かない品の良さ、など現代では貴重な作品でしょう。エミリコなど明るい性格の子どもたちに癒されますね。
そういうわけでアニメ第2期に期待したいところです。どこまで描かれるのでしょうね。そして原作の展開も目が離せないかな。