アニメ猫のアニメ日記

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進撃の巨人 The Final Season Part 2 第86話「懐古」 解説と考察。壮絶アクション。フロックの最後。マガトとキースの仕事!


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進撃の巨人 The Final Season Part 2 第85話「裏切り者」 解説と考察。世界を生かすために殺す。矛盾と裏切りと暴力と - アニメ猫のアニメ日記

「やっぱりダメか、、なぜこうなるんだ?」「人から暴力を奪うことはできないよ、ねえ?兵長」

オニャンコポンの言葉にはできれば戦闘はせずに平和裏に解決したかった思いがにじみ出ていた。

「裏切者!なんでだよ!!俺たちは仲間じゃないのかよ!!」「お前たちは仲間だよ!!でも、、おれは、、」

やはり始まってしまった戦闘。

人のために働く兵士になるため、仲間を撃ち殺してしまったコニー。後悔する時間すら与えられることはなく戦闘で人が死んでいく。その時、ハンジは地下で驚きの事実を聞いていた。飛行艇を飛ばすためにかかる時間は一日である。整備の設備があれば半日だ。アズマビトの技術者の答えだ。しかし地ならしは予想以上のスピードで進行中だ。全世界の踏み鳴らすまで4日程度だろうか。ここでクルーガー派と戦闘をしながら一日かけて飛行艇を整備して飛ばしても、レベリオを救うには間に合わない。そもそもエレンの居る場所がわからない。

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マガトが言っていたが巨人の力は数時間しか持たない。これも重要な要素で、飛行艇の整備に半日とか一日かかるのであれば、その間攻撃を耐え忍びながらの作業となる。これは事実上不可能であるということだ。

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すべての状況が手詰まりと思われたが、キヨミがアイデアを出した。

大陸側のオディハにはアズマビトの所有する格納庫がある。そこまで飛行艇を曳航し整備すれば半日で飛び立てる。ただし、オディハもまた地ならしのやってくる場所にある。整備が遅れれば地ならしの餌食になる。しかし、選択の余地はない。ただちに作戦は変更された。アズマビトの船で飛行艇を曳航しながらオディハに向かう。ミカサが立体起動で敵をかいくぐりながら、女型の巨人の頭に取り付き伝言を告げる。

「作戦変更。船で離脱し、大陸で飛行艇を整備する!」「大陸で?整備を?」「乗船の援護を!」

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同じことをライナーの巨人にも伝えた。ミカサは機動力がある。地下から出てきたアズマビト達を連れてマガト達が船に走っていく。

ミカサとハンジが立体起動でイエーガー派を切り裂いて援護する。

ハンジの姿をみてフロックは驚く。ハンジは死んだのではなかった。

「売国奴があ!!なぜ、アズマビトが出てきた?危険をおかしてまでどこに?まさか!!」

フロックもハンジ達の意図に気が付いた。

ライナーとアニがアズマビト達を手を使ってかばう。その分、アニとライナーは攻撃を受けて傷ついていく。

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「ありったけの雷装を持ってこい!やつらは船でエレンを殺しに向かう気だ!何としてでも船を破壊しろ。エレンが殺されれば、パラディ島は血の海に沈む!全世界から報復され、お前たちの親も兄妹も子どもも皆殺しだ!心臓を捧げよ!」

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フロックの言っているパラディ島の防衛論は悪魔の民として全滅させられそうになったのだから、正論なのだが世界を滅ぼすエレンの作戦はあまりにも無慈悲でマーレと同じなのだと言えるところまで到達できていない。

一方、ジャンが伝えにいった居残り組の、リヴァイ、イェレナ、オニャンコポン、ガビ、ファルコがピークの車力の巨人にのってやってきた。

戦いの様子を伺っている。イエーガー派はハンジ達の作戦を見抜いて、船を狙いだした。結果的にアニとライナーの巨人が体で防ぐことになり、攻撃されている。これを見たファルコは、

「俺も戦わなくちゃ。アギトの巨人の力を使って」「それはダメ。初めての巨人化はうまくいかない」「でもこのままじゃ、」「私にまかせて。あなた達を船に運んだ後、戦闘に加わる」

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戦士としても優秀なピークは計算できない戦力を使いたくないだろう。船に向けて撃たれた雷装を体で受け止めた女型の巨人の腕が吹っ飛んでしまった。ファルコはたまらず飛び出していった。ピークはファルコをいったん、あきらめガビ達を船に連れていくことにした。コニーは銃で撃たれたアルミンを担いでマガトに托し、戦闘に加勢に向かった。

船を守らねば出航できない。

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そして、鉄道が港に近づいてきた。イエーガー派の増援だ。多くの兵士を乗せている。

「まずい増援だ!私達があれを食い止めないと、出航どころかここで全滅だ」

このままいけば、イエーガー派の増援が港に到着するかと思われたが、鉄道が突然、爆破された!

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「増援の車両がやられた、、」

悔しそうに見つめるフロック。ここでやられるとはまったく予想外だっただろう。ファルコは自らの手を傷つけて巨人化しようとするができていない。ジャンがファルコを見つけた。

「何をやってんだ!ファルコ!早く船に乗れ!」

だが、そこでジャンが見たのは、体のあちこちに雷装を打ちこまれ、首が取れて落ちていくアニの巨人の姿だった。

となりに同じようにライナーの巨人も船を守りつつ攻撃を体に受けている。アニは何も見えなくなっている。ライナーも動けなくなってきた。

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「今だ!とどめを刺せ!」

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ここで、煙の中から現れたのが立体起動で飛ぶコニーだった。

クルーガー派の戦士を倒していく。ミカサももうためらいなくクルーガー派を斬り倒していく。殺すことにためらいはもうない。

「ためらえば」「地ならしは止められない!」

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さらに、ピークが建物の屋根を突き破って現れた!アニとライナーはもう動けない。巨人は車力だけだ。フロックは雷装の一斉攻撃で車力を攻撃した。たまらずに逃げ出す車力。

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「死守せよ!この島を!俺たちの国を!」

さすがに車力は追い詰められるかと思われたが、ここで新たな巨人が現れた。ファルコが巨人化に成功した!ファルコの巨人には顎ではなくクチバシがある。

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「今だ!やつらの連携が崩れた!」

ファルコが暴れ出したことで、フロック達の攻撃が乱れた。ジャン、ハンジ、ミカサ、コニーが一挙に反撃して切り倒していく。自らの手勢がやられてしまったことでフロックはキレた。

「この一発に賭ける!船底に穴を空ければ!」

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フロックは危険なルートを顧みず、船までの空間に飛び込んでいく。立体起動で船に近づき、残った左手の雷装にすべてを賭ける。一瞬のできごとだった。

「エルディアを救うのは俺だああ!!!」

しかし、一発の銃弾によってフロックが撃たれた。ガビが得意の対巨人ライフルでフロックを撃ったのだ。雷装は逸れた。船の横に海面に当たって、多数の死者が沈んで赤く血に染まっている海面が跳ね上がった。

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フロックはくやしさと悲しみの表情で海面に落ちていった。

フロックがやられ、ミカサが血みどろになりながらイエーガー派を倒していくので、残ったメンバー達は戦意を失ったか、立て直すためか逃げた。船の汽笛が鳴り、出航を知らせる。

「出航できるぞ!はやく乗れ!」「いこう!追い払ったやつらが戻ってくる前に」

しかし、ファルコの巨人が暴走をしていた。

最初の巨人化なので、うまくいっていないのだ。車力の巨人が抑えこみ、マガトがうなじからファルコを斬りだす。ファルコをオニャンコポンにあずけて、マガトは戻っていく。

「頼む」「ああ」「すぐに船を出せ」「え?あんたは?」「殿(しんがり)を務める」

驚いたおニャンコポンは走っていくマガトを見つめるだけだった。マガトは船に乗らず残るつもりである。

岸辺を離れた船は飛行艇を曳航しながら港を離れていく。

もうマガトは乗れない。もう船は戻れない。イエーガー派の残党に攻撃されたマガトを救ったのは、キース・シャーディスだった。シブイオッサン二人が対峙する。

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「イエーガー派の増援を食い止めたのはあんたか?」「そうだ。なぜあんたは船に乗らなかった?」「あれはマーレから鹵獲した巡洋艦だろう。あれの速力なら仲間を乗せた輸送船などすぐさま追いつかれ撃沈される。ここに残してはおけない」「ならば手を貸そう」

残ったマガトの仕事、それは追手を阻止することだった。

そして、キースもただちに状況を理解して行動する。

港に残されたマーレの巡洋艦のマガトとキースが乗り込んで、弾薬庫に入る。マガトの目的はこの巡洋艦を破壊して使いなくすることだ。弾薬庫の入り口の見張るキース。突入してきたイエーガー派を見てキースは緊張するが、マガトは動じない。

「構わん。俺は弾薬庫に火をつけるまでだ。海に飛び込むなら今だぞ?」

しかし、キースは逃げるつもりはなかった。死に場所を探している男だった。

「なぜ我々の味方をした?滅ぶのはこの島かもしれんぞ?」「シガンシナの鳥でから南へ向かう教え子達を見た。アニ・レオンハードを連れてな。そこで目的を察し、胸が震えた。教え子達の成長に」「あんたが増援を食い止めなければ我々はこれまでだった。あんたは後に世界を救った英雄の一人となるだろう」「じゃあ、あんたと一緒だな」

アニを砦から見ていた人物は、やはりキースだった。そして、自分の教え子達が世界を救おうとしていることを知り、協力したのだった。しかし、それにしてもいきなり鉄道を爆破したのはやりすぎではないか?もし、爆破する必要がなかったのなら、つまり平和裏に事が運んでいたなら、キースはイエーガー派の若者たちをただ爆破で殺すことになってしまう。おそらく、キースは事の様子を見ていたのだ。そして、戦闘が始まり、平和的な解決ではなく戦闘になったことをみて、鉄道の爆破を決断したのだろう。それなら無駄な死体を増やすことにはならない。そして、マガトが港に残ったことを不審に思って調べに来たのだ。

アニと他の教え子が一緒にいて、そして南に向かっていったこと。これを見ただけで事情を察して、協力するキースはやっぱり男である。

最後の場面ではマガトの心に残るものは慚愧である。国の都合の良いように若者を指導して騙して利用した。

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「あんたにできなくても俺はあんたを誇りに思うよ。きっとその子達も同じだ」「ありがとう。ところで、名前は?」「キース・シャーディス。あんたは?」「テオン・マガト」

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二人が名前を教え合って、二人でたたえ合って、ニヤリと笑った所で引き金を引いて大きな大きな爆発を起こして、船を破壊する。あまりにもカッコよすぎる二人のオッサンの最後だった。爆発を見ていたガビが叫ぶ。マガトの名前を呼んでいるのか。

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ピークはガビを抱えている。この二人はマガトに対して思い入れが強いのだろう。

「オディハへの航路はマガトと私達で決めた。というより、他に選択肢がなかった。君達の故郷、レベリオを救う道はどこにも」

船の上空を鳥が飛んでいる。

アニはミカサに肩を借りている。アニはハンジの説明を聞いて愕然となった。この作戦手順では、レベリオにいる父親を救えない。間に合わないのだ。アニの中ですべてが崩れ去った。戦うための理由がなくなり、気力が出ない。もう戦えない。

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「たとえ地ならしが今すぐ止まったとしても、レベリオもマーレも壊滅状態は避けられない。それはマガトもわかっていたよ。だが、彼は命を賭して私達を先へ進めた。それはレベリオやマーレのためじゃない。名も知らぬ人々をひとりでも多く救えと私達にたくすためだ」

アルミンがコニーに抱えられてやってきた。ピークはガビを慰めていたようだ。

「だとしたら、最初の疑問に戻るけど、あんたにエレンを殺せるの?私がエレンを殺そうとするのをあんたは黙って見てられる?」

アニがミカサに問いかける。進撃の問いかける課題だ。愛している人を殺せるのか。進撃は愛の物語でもある。

「もう戦いたくない。あんたとも殺しあいたくない。あんた達とも、エレンとも」

アニは泣きながら本心をぶちまける。アニにとってはミカサも元は訓練生同期で、やっとのことで一緒に戦った仲間でもある。そう、やっと仲間になったのだ。アニはもう殺しあい自体が嫌なのだろう。殺す理由など元からない。生きる理由を探して生きていかないといけないアニは殺しあいをする動機がない。イエーガー派を殺すことはできたミカサだが、まだアニの疑問に対して明確に答えることができない。

 

アクションがすごかった。カット数も多く、キャラも良く動いた。アクションのMAPPAを見せつけるアクションがよくできた回だった。