アニメ猫のアニメ日記

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「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」にみる感情表現のすごさ ウマ娘の魅力とは


ウマ娘 プリティーダービー Season 2」に関して、データと表現のすごさについてまとめる。

基本情報

ウマ娘 プリティーダービーは、Cygames のメディアミックスプロジェクトの一環として作られた競走馬の擬人化アニメである。

ウマ娘 プリティーダービー (アニメ) - Wikipedia

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』公式サイト

監督は第一期、第二期ともに 及川啓 - Wikipedia さん。

アニメスタジオは、第一期が P.A.Works だが、第二期になって

スタジオKAI - Wikipedia 

が担当した。しかし、制作協力としてP.A.Worksの名前が入っている。スタジオKAIは新しいアニメスタジオで、ウマ娘第二期が初の元請け作品である。

評判

当初、競走馬を美少女にするのか?と当惑していた視聴者も実際に視聴してみるとその世界に引き込まれてしまう人が多く、アニメとしての評判は第一期、第二期ともによかったようである。ここでは擬人化アニメの第2位にランクインしている。

(2ページ目) 『はたらく細胞』に『ウマ娘』も!こんなものまで…!? 斬新な設定に驚かされた「擬人化もの」ランキング | ふたまん+

また、アニメの評判のおかげか、アプリの出だしがアニメに送れたものの、ゲームは大ヒットしたようだ。

「ウマ娘」超絶ヒットが作り出す意外に大きな潮流 | ゲーム・エンタメ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

そういうわけで、ウマ娘は、アニメとゲームの相乗効果が相まって大ヒットとなるというメディアミックスの成功例といえるだろう。

ウマ娘の魅力

当初、第一期を視聴する時は、競走馬が擬人化するのか?とさすがにアニメ化は無理があるのではないかと思っていたが、第一期の段階から、アニメには力が入りまくった作りになっていた。まずは、キャラデザ。一人一人、または一頭一頭ごとに細かい設定を史実に基づいたキャラ付け(つまり競走馬の特徴に基づいたもの)を設定していた。これを多数出演するウマ娘ごとにやっていたのは大変な手間だったはずだ。そして、競走馬の歴史、つまりどこのレースで勝った、負けたという事実を基に描かれていくストーリもかなり再現率が高いらしい。これは競走馬に詳しい人にはうれしいのではないか。

トウカイテイオーの実馬の成績はここ→

ターフを駆ける究極無敵のテイオーステップ! 「ウマ娘」 トウカイテイオーのここが好き!! - GAME Watch

このように実際の競走馬の史実に基づいたエピソードがいろいろ入っているというか、アニメにきちんと組み込まれているのがすごい。

また、ストーリー展開も単なる萌えアニメではなく、きちんとしたドラマ展開を作っていくのはスゴイ。時々に差しはさんでくるギャグも切れ味が良い。及川監督はギャグはダチョウ倶楽部の影響を受けているとここで語っている。

スペシャル座談会『ウマ娘 プリティーダービー』 アニメファンを驚かせ、競馬ファンをも感動させた話題作を4人のキーパーソンが語る! | ページ 3 / 3 | 【es】エンタメステーション

ここでは、ウマ娘がレースで着衣する勝負服のエピソードなども語っている。勝負服などはレースの空力効率とか疾走しやすさを考えたらどうみても不合理でしかないのだが、それを着させているのがアニメのパワーといえるだろう。

そして何よりもウマ娘を特徴付けるのが圧倒的な作画力と演出力だ。及川監督は原画、作画そして絵コンテを多く手掛けて監督になっただけに、演出力がハンパない。以下それをちょっとだけみてみよう。

ウマ耳による感情表現

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耳が垂れて当惑した表情のトウカイテイオー

ウマ娘には当然ながらウマ耳がある。第一期ではあんまり動いている印象がなかった耳による感情表現が第二期になって大幅に増えた。驚いた時、悲しい時、嬉しい時、びっくりした時などなどの感情が動いた時に耳も同時に動いて、耳が下を向いたり、伸びたり、ちじんだり、あっちを向いたりこっちを向いたりする。ネコやイヌが感情を表現する時に耳がへこんだりすることは良く知られている。実は、本物の馬も耳を見ることで感情の状態を推察することができる。

耳に注目!耳の動きは感情を読み取るカギ:ふれあい乗馬:うまの生態学習|海岸公園馬術場 | 宮城県仙台市の乗馬レッスン・スクール・馬術競技場

アニメでは以前から頭に生えている触覚とかアホ毛などと呼ばれるものが、ぴょんぴょん動いて感情を表現するのに使われているが、ウマ娘でもこの表現が多様に使用され感情表現を豊かにしていた。

走りの表現

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トウカイテイオーの疾走表現

ウマ娘では第一期から走りの表現にはこだわっており、ウマ娘ごとに異なる走り方をさせている場面があったが、第二期からさらにそれが進化していた。特に疾走するウマ娘の表現には力が入っていた。ひとりひとりのウマ娘の走りを同時に描くのは現代のCG技術がなければできなかっただろう。それでもかなり手間がかかったのではないか?走りの表現だけではなく、ウマ娘ではカット数がかなり多く、手間がかかっている。普通のアニメ作品と比較して二倍ぐらい手間がかかっているのではないか?予算赤字になっているかもしれない。

泣きの表現

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メジロマックウィーンの泣き表現

各キャラの感情表現、表情の表現の豊かさについても触れておこう。感情を表現する表情は重要だ。泣きの表情を入れるのは悲しい時、苦しい時だ。このような時にキャラはどのように泣くのか?ウマ娘では、何度もウマ娘たちが苦境にさらされる。その時に泣く表情はとてもよく描かれていたと思う。

 

ついでにウマ娘におけるタブーについて書いておこう。

ウマ娘のタブー

ウマ娘という作品にはたくさんのタブーがある。それについて触れると作品が壊れてしまうからだ。いくつかあげてみると、

● ウマ娘はいるがウマ男はいない。ウマ娘がどのように生殖し、子孫を作っているかは触れてはならない。

● ウマ娘のモデル馬にはオスも多数存在する。

【ウマ娘】牡馬・牝馬の一覧 - Boom App Games

● 史実のシンボルルドルフはトウカイテイオーの父親馬だった。アニメでは何か因縁を感じさせる関係性だったが、史実では親子だったのだ。

● 人間の耳にあたる部分は、ウマ娘はさらしてはならない。どのウマ娘も人間の耳の部分は髪で隠している。どうしてなのか?おそらくこの世界では、この部分は見せてはいけないマナーがあるのだろう。