前回でアニメ「ピンポン」のデータを集めてみた。
今回は少し考察してみる。
ストーリー
ピンポンのストーリーは簡単である。ピンポンが好きなペコと月本は高校の卓球部に所属しているものの、まじめに卓球にとりくんでいるわけではない。二人は生来の天才的卓球の素養を持ち、強いのだけど、勝負にこだわるわけではない。月本はコーチに才能を見出され鍛えられて強くなり、ペコもまた卓球のおもしろさにめざめて強くなっていく。まわりを、魅力的なサブキャラが固めている。普通の卓球ドラマ、スポ根なんである。
原作が書かれた時期はかなり前だけど、アニメとしては今でも受ける内容だ。
脚本・絵コンテ
アニメの作り方としては、今時のテレビアニメにはめずらしく、監督が絵コンテと脚本から取材までやっていたという力の入れっぷりには驚く。これぐらい手間をかけてテレビドラマを作りたいものだが、今のテレビアニメの監督は仕事をいくつも掛け持ちしないとやっていけないそうなので、一つの作品に時間をかけるのは難しいだろうか。
綿密な取材
取材も監督は、マンガ原作を描いた松本大洋と打ち合わせをした上での脚本(正確には絵コンテ)を作成している。この際に、マンガには出てこなかった人物の背景についても情報を入手、アニメオリジナルストーリーを作るのに役立てている。こんなことできるテレビアニメもめずらしいだろうな。
アニメオリジナルストーリーを作るアニメも多いが、原作の雰囲気を壊さないようにアニオリを作るにはこの方法がベストかもしれない。
加えて卓球というスポーツの取材もかなり綿密に行って作画、動画に役立てている。
アニメオリジナル
そういえば、卓球ロボットがアニメでは出現していたが、これもアニオリだろうね。マンガの時代にはなかったろうし。
他にも卓球が時代と共に変化したのにあわせて現代の風味を出すためにアニメでは多数の現代と同じ設定を取り入れている。
原作のマンガは全55話で5巻しかない。そのままアニメ化するにはちょっと内容が足りない。そういうこともあったのか、アニメオリジナルキャラも登場したがこれもまた効果的に働いた。
おもしろいアニメを作るには手間を惜しんじゃだめだということなんだろうなあ