アニメ猫のアニメ日記

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進撃の巨人 The Final Season Part 2 第79話「未来の記憶」 回収された伏線!エレンの表情を追いながら考察!ジークは癒されたか?


(公式サイトより)

弟は兄を拒み、兄は弟を見捨てなかった。救いたい思いだけ。たどり着いた果ての場所でエレンとジークはあの日の記憶とともに、父・グリシャの真実を知る。
脚本:瀬古浩司 / 絵コンテ:林祐一郎 / 演出:青島昂希
総作画監督:北尾勝 / 作画監督:皆川愛香利、松岡秀明、王維慶

(前回第78話)

進撃の巨人 The Final Season Part 2 第78話 映像がきれい、クライマックス感満載、エレンの真意が遂に判明する! - アニメ猫のアニメ日記

今回もまた、衝撃的な事実が明らかになっていく。そして長年かかって張り巡らされていた伏線が回収された!エレンの表情を追いながら考察してみる。

冒頭はエレンが赤ちゃんの時代に飛ぶ

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「これは父さんの記憶、、」「いかにも幸せそうじゃないか。仲間や以前の家族を地獄に突き落として生きながらえているにしては」「いったい何がしたい?」「お前にみせてやる。グリシャイエーガーがいかにして息子を洗脳してお前に民族主義を植え付けたのか。わかるまでなんども」

ジークはエレンと共に二人の父親・グリシャの記憶へと沈んでいく。グリシャの記憶をジークとエレンで見て回ることで、ジークはエレンがいかに父親に洗脳されあやつられていたのかをわからせるつもりなのだった。もっともよく考えてみると、ジークはグリシャを憎んでいるがグリシャを密告して地獄に突き落として自分だけ生き残るような選択をしたのはジークであって、グリシャではない。ジークの父親への憎しみはどこか八つ当たりである。

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この時のエレンの表情は冷たい表情のままである。この時点ではエレンはジークが何もわかっていない兄としか思っておらず、何の感情もわかないレベルでしか理解ができないのかもしれない。しかし、父親に向けるエレンの目つきは厳しい。父親が背負っている宿命、やってきたこと、これからやること、の厳しさを思いながら憐れみだけではすまない。

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赤ん坊のエレンと一緒にいるグリシャに向けたエレンの表情

エレンがグリシャを「クソおやじ」と言った理由とはなんだったか

グリシャが医者として働きながら、権力者に近づいていき、情報を集め始めていた時期をみて、ジークは父親を非難する。

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始祖の情報を集めるグリシャをみながらジークは父親を非難する

「みろエレン、これが奴の正体だ。医者の肩書を利用して権力者にすりよりだしたぞ。壁の王を追求し始祖の巨人を奪うためだ。当然、しくじれば妻も息子もタダじゃすまない。だがその危険を冒し続ける。なぜだかわかるか?」「このクソおやじはエルディア復権のためなら妻子をクソだめに捨てるようなクソ野郎だからだ。幻滅した。おれは間違ってた。生まれるべきじゃなかった。洗脳が解けたよ」「時間は無限にある。あせらなくていい」

ここではジークがグリシャを父親として憎んでいることがよくわかる。しかしなぜかエレンもグリシャを非難している。不思議なことに、エレンはこの場面ではグリシャを「クソおやじ」呼ばわりしている。なぜか?エレンはジークを裏切ったはずだし、父親には愛されていたはずなのにである。これはジークとのこの記憶の中の彷徨を早く止めたいので、ウソをついたのだろうか?ここでアニメ猫的に注目したいのは、一瞬エレンがジークを眺めているシーンがある。

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「このクソおやじはエルディア復権のためなら妻子をクソだめに捨てるようなクソ野郎だからだ。幻滅した。おれは間違ってた。生まれるべきじゃなかった。洗脳が解けたよ」

このことからこのシーンは、エレンが自分は父親に愛されていたいたのに、ジークは愛されていなかったことことを知り、ジークに憐憫を感じた一瞬を描いたのかもしれない。そうだとすると、上記の「クソおやじ」発言は単純にこの記憶の旅が嫌なので止めたいのではなく、ジークへの同情からはやめにこの記憶の探索をやめてあげようという意図だったのかもかもしれない。つまり、この記憶の探索をはやく切り上げることで、ジークに自分だけが愛されていなかった事実を突きつけるのを回避できるかもしれないと考えたのだろう。つまりはエレンのやさしさから出た言葉だったのだ。

グリシャはエレンを愛していたからこそ、始祖の力を奪う仕事が実行できなかった

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「まさか、こんなに早くつきとめていたなんて」「ここは何だ?」「壁の王の根城だ」「そんなはずはない。グリシャが始祖を奪うのは壁が破壊された日のはず。まだ何年も先だ」

ここではエレンも驚きの表情をしていることから、この記憶はエレンも初めてみたのだろう。しかし、グリシャは王一族の殺害をここでは実行しないで引き返してしまう。それはグリシャがエレンを愛しているがゆえだったことを知り、ジークは驚くのだった。

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驚き、狼狽するジークをみるエレンの視線はしかたなかったという表情にもみてとれる。

「なるほど、二人目の息子は愛されていいたらしい。俺とはまるで大違いだな。さすがに前回の失敗をふまえているようだ。だが、実際お前は父親の都合通りに動いている。本来のお前ではなくなった。それはいずれわかる」「ごめん、ジーク、ジーク!そこに、いるのか?バカな、ジークがあんなひげ面おじさんのわけないか」

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こんどはエレンが「次にいこう」とうながす番に

ジークが愛されてはいなかったのに、エレンは愛されていた。この事実を知られてしまった今、エレンはもはや次に進むのを躊躇する理由はなくなった。次のところへ行こうと先にうながすのはエレンの方になった。もはやエレンにはジークに対してウソを言う必要もなくなった。すべてを見たことで絶望するのか、落胆するのかはジークの問題である。

ジークはエレンが愛されていた事、洗脳されていない事を知り、エレンの行動に疑問を持つ

「お前はもう9歳になるな。グリシャはお前を愛し自由に育てた。お前は父親に洗脳などされていなかったと」「だから無駄だといった。何年もおやじの記憶をさまよう前にな」「だとしたらなぜお前は俺を裏切った。父親に何も知らされぬまま巨人を継承させられ、父親の望み通り闘い続けている。エレン、なぜ争いを終わらせることを拒む?始祖の力を使ってどうするつもりだったんだ?」「俺は生まれた時から俺のままだ。俺とあんたが同じだと思ってたようだが、間違っている。他人から自由を奪われるぐらいなら、俺はそいつから自由を奪う。親父が俺をそうしたわけじゃない。俺は生まれた時からこうだった」「生まれた時から。。」「あんたの望んだ哀れな弟はどこにもいない。あんたの心の傷を分かち合う都合のいい弟。ただここにいるのは父親の望んだエルディア復権を否定し続けることでしか自分自身を肯定できない男、死んだ父親にとらわれたままの哀れな男だ」

ジークはあくまで弟を救いたいと言うが、救われるべきは、、

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「いいかエレン、始祖の巨人の力は俺の手の中だ。安楽死計画はいつでも遂行できる。だが、俺はお前を決して見捨てない。クサバーさんが俺にそうしてくれたように。世界を救う前にたった一人のお前を救いたいんだ」

この時点ではジークは始祖の力は自分にあり、自分の計画はいつでも実行できると思っている。そしてまだ、弟を救いたいという。しかし、本当に救われるべきは兄の方だろう。エレンは未来を知っているためか、視線をジークからそらしている。いや視線をそらしているのは本当に救われるべきなのはお前なのだと、いいたいからだろうか。

そしてあの地下室でグリシャは手記を書き上げる

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そして運命のあの日、グリシャは帰ったら地下室を見せるといった後にでかけていく

ここで、なぜか美しいグリシャ家の外の花が映し出される。今回のクールではこの世界の残酷さを引き立たせるためにこの美しい風景や花が多く映し出されている。ここでもこの後に描かれる残酷な運命を暗示するための美しい花だろうか。

すべての告白を記した手記を書き上げてグリシャは地下室におさめる。そしてエレンに対して、帰ったら秘密にしていた地下室を見せてやろうというのだった。ただし、この場面ではグリシャは記憶をさまよう大人のエレンに対して発言しているのだ!

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エレン、帰ったらずっと秘密にしていた地下室をみせてやろう

進撃の巨人も長い物語だが、第1話で設定された伏線がここで回収された!!!

始祖の王の根城に押し入ったグリシャが王に戦うことを願うが

「私は壁の外から来たエルディア人。あなた方と同じユミルの民です。壁の王よ。いますぐ壁に攻めてきた巨人を殺してください!妻や子ともが壁の民が食われてしまう前に!」「罪から逃れてはいけません。我々ユミルの民が裁かれる日がきたのです。世界を守るために我々は罪を受け入れ滅びゆくしかないのです」

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グリシャはエレンを見る

しかし、王は不戦の契りを守り続け、一切の抵抗をしない考えだった。これは壁で犠牲になる人々やグリシャの家族を見捨てるということだった。怒りの表情になるエレン。エレンの母も含めて大勢が犠牲なることを看過する王など、エレンからみると許せない相手である。

「わかっている。私が始祖の巨人の力を使えないことは。九つの巨人にはそれぞれの特性がある。私にやどる進撃の巨人にも。かねてより進撃の巨人の継承者は何物にも従うことがなかった。私にはその理由がよくわかる。すべては王の独善にあながうため。この時のためにみながこの記憶に導かれた。進撃の巨人は未来の継承者の記憶をも覗きみることができる。つまり未来を知ることが可能なのだ」「未来の記憶だと?エレン、どういうことだ?」

ここで、進撃の巨人は継承者の未来の記憶まで見ることができることが判明する。これは王家の能力を上回る能力である。王家の一族は、過去の記憶しかみることができない。したがって過去の出来事に応じた決断しかできない。だが、進撃の巨人の持ち主は未来の記憶を見て、行動することができるのだ!このため、進撃の巨人は常に王の独善にあがなってきた。

進撃の巨人を使って王の一族を殺害しようとするグリシャだったが、今一歩のところで決断できずにためらってしまう。本来は、医者であり人のやさしい人物なのである。ここで、エレンが父親に決断を促すことになる。

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「何をしている?立てよ父さん。忘れたのか?何をしにここにきたのか。犬に喰われた妹に報いるためだろ?復権派の仲間、ダイナ、クルーガー、報いるために。進み続けるんだ。死んでも、死んだ後も。これは父さんが始めた物語だろ?」

未来の記憶を見て回ったエレンは、ここで自分が為すべき役割もわかっていたのだろう。グリシャは記憶の通りに王一族の殺害を実行する。

惨劇が終わった後のエレンの決意は何か?

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全てが終わった所で、唖然とするジークと、悲しみに沈んだ表情のエレン。未来の記憶を見ていることで、わかっているがゆえに運命を受け入れ、進み続けるしかないエレンの悲しみが見て取れる。

「そこにいるんだろう?ジーク。この先お前の望みはかなわない。かなうのはエレンの望みだ」

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グリシャに抱きしめられ、自分もまた愛されていたことを知るジーク。ジークは父親に愛されてはいたが、社会的な事情や差別の環境がジークに愛を伝えることを許さなかった。ジークが両親を密告して地獄に突き落とすという不幸な事件も、グリシャが悪いのではなく、恨むべきは差別の問題の方だった。このことをジークは自覚できるだろうか。

ジークがエレンを洗脳から解こうという目的で始めたグリシャの記憶の旅も、ジークの方が覚醒を強いられるという結果で終わった。エレンは洗脳されていたわけではなかった。

ジークを見つめるエレンの瞳には怒りとも、覚悟ともしれない表情が浮かんでいる。

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エレンの表情からみるとかなりの決意で行う行動が予想される。次回に期待である。