アニメ猫のアニメ日記

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無職転生 第23話(最終話) 最終話で描かれたもの。この物語で描きたかったこと。無職転生のヒットの秘密について


前回第22話はこちら

無職転生 第22話 感想と語られた事。帰郷したルーデウスを待っていたのは - アニメ猫のアニメ日記

前回の無職転生、エリスにやり逃げされ、ひとりボッチになってしまい、号泣してしまったのだった。今回は、エリス喪失の落ち込みで、引きこもり症が再燃してしまうのである。前世のトラウマがルーデウスを苦しめる。

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ひきこもったっていいじゃないか

街の人たちは、災害にもめげず、復興しようとしているのにもかかわらず、ルーデウスはテントで寝たまま動くことができない。

ルーデウスが落ち込む時は、前世のトラウマがよみがえる。高校でイジメにあって、引きこもり状態となり、その状態で10年ぐらい苦しんで、最後は交通事故で命を落とした。今回の落ち込みは、長い時間ルーデウスを起き上がらせることができない状態とした。前世では、ルーデウスは引きこもりから脱却することができないまま、命を落とした。

ルーデウス達と別れ一人旅を続けるルイジェルド

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「スペルド族だ。」隠さずに自分の出自を言えるルイジェルド。呪いは解けた

ルイジェルドは相変わらず人助けをしながら、スペルド族のイメージアップの旅をしていた。身元を聞かれても隠さずにスペルド族のルイジェルドと名乗れるようになった。人々は恐れることもなくなり、呪いは解けたようだ。

一方、エリスはギレーヌとともに武者修行の旅に出かけたのだった。

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愛してる!ルーデウス!いつかまた会いに行く!

ルーデウスに守られて、こんどは自分がルーデウスを守れるようになることを目指すため、剣の腕を磨く旅にギレーヌと共に出かけたエリス。思いっきり愛の告白をする。しかし、たいした説明もしないでいきなり出かけるものだから、ルーデウスは捨てられたと思ってしまう。あいかわらずのそそっかしいエリスである。

他のキャラも総出演

フィギュア人形が好きなザノバ王子、馬車で追放されていた。ロキシー人形が何より好きなようである。

ギレーヌの故郷の獣人村の人達も元気であった。

そして、魔眼を持つキシリカロキシーと酒場で出会う。ロキシーはキシリカの魔眼の力によってルーデウスの家族の行方について手がかりを得るのだった。

忘れちゃいけないルーデウスの家族

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ルディ、大好き!

異世界に転生してからのルーデウスには良い家族に囲まれていた。良い父、良い母、そして妹ノルンに、リーリャとアイシャがいた。前世で引きこもりのニートだった時代と比べるとまるで夢のようである。

まさかの夢オチじゃ?

ここで、ある気づきが得るだろう。この異世界は、ある引きこもりのニートの見ている夢なのだ。あるいは死ぬ間際にみている長い長い走馬灯のようなものなのだ。すべては幻影。すべては幻なのだ。この異世界は引きこもりニートの男が思い描いた幻想の世界を視ているのだ。そうだとしても不思議がない異世界である。すべての異世界物は妄想の産物だからね。

そう思わせるぐらいの苦悩が描かれていたが、しかし

しかし、引きこもり男はついに一歩を踏み出した。

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ついに一歩を踏み出した男

まだ、助けていない家族がいる。母親のゼニスだ。ゼニスの行方はまだわかっていない。ルーデウスを愛してくれたゼニス。ルーデウスはゼニスを助ける必要があるのだ。一人となってもルーデウスはゼニスを探さないといけない。自分を必要としてくれる人を求めてルーデウスは一歩を踏み出していく。この時、引きこもりの男は必要な一歩を歩いていくことができたのだ。

そして、ついにシルフィ登場

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あの人は、友達で師匠で、そして最も尊敬する人です

最後についに、ルーデウスの幼馴染、シルフィ登場。場所からして魔法学校か。この気合の入ったシルフィの描き方からして、第3期はシルフィとのからみを描くのだろう。というかまだ第3期制作の発表はないが、このシルフィの絵が出たのが第3期の発表みたいなもので、人気からみても制作は決定済みだろう。

無職転生の描きたいものは

無職転生で描きたいものは何だったのか。この最終話では、ルーデウスの前世のトラウマの解消と克服が焦点になっている。この世界ではルーデウスは愛され受け入れられ、必要とされる人物である。前世では、失敗といえるような人生だったが、異世界に転生してからは人生が変わった。これはある引きこもりの男の癒しのドラマだったのだ。

無職転生のヒットの秘密

無職転生の魅力の基本は、ドラマを作っていくしっかりとした脚本とストーリー構成で観客を飽きさせない物語展開が背骨としてしっかりと作っていたことがある。原作にあるエピソードをしっかりとひも解いて、組み合わせて、必要のない所は切り捨て、時にアニメオリジナル部分も作った。

作劇では、スタッフは逃げない作りこみをした。近年のアニメでは家族を描くのをめんどくさいとして描きたがらない。しかし、このアニメでは違った。家族のつながりを描くことをした。ライトノベルでは深い人間関係や黒い感情を描くことを避けている作品ばかりのところで、逆に深い人間性を描くことでキャラクターを浮き彫りにしようとした。規制の批判を覚悟しても、エロ表現からも逃げなかった。

作画についていうなら、人物を描く部分、動画でも、アクションシーンや、怪物などの脇役の動画なども良く動いていた。そして、背景も美しく描かれ、物語の世界観を支えていた。

各キャラクターの性格もしっかりと作画とセリフと声優の演技でもって演じられていた。

こういうとアニメ制作としては当たり前のことではあるのだが、この当たり前のことを実行するのが難しいのである。このアニメスタッフに拍手を送りたい。次期の制作に期待したい。