アニメ猫のアニメ日記

アニメに関しての情報を書き連ねていきます。

ロボット部活アニメ 『ROBOTICS;NOTES』(ロボティクス・ノーツ)を分析する


ボロティックス・ノーツ ROBOTICS;NOTES - Wikipedia を視聴して脚本的に思う所あったので分析する。

 このアニメはゲームが原作?か同時進行でノイタミナ枠で制作された。全22話

原作 志倉千代丸、MAGES 監督 

アニメ@wiki - 野村和也

 シリーズ構成 

花田十輝 - Wikipedia 

DVD売上は1K程度しかないようだ。

Wikiによるとストーリーは「本作では、「少年少女たちの夢と青春」を描いた正当派の群像劇を土台に、近未来の科学技術によるネット犯罪・ロボット犯罪を扱ったSFエンターテイメント作品である。」となっている。前半の内容はロボット制作の部活を描いたものなのだが、後半からネット犯罪やら・ロボット犯罪を扱ってミステリー展開となっている。簡単に言うと前半と後半で雰囲気や内容の違う、ヌエ的というかキメラ的、複合的物語なのだが、それがいい味をだしているわけでもなく混乱しているだけになっている。

最近よくある、群像劇を描くとか書いてあるんだけど、これまた脚本が混乱しているだけにしかみえないなあ。

最初のこのアニメの印象は、第一話から第6話ぐらいまではロボット制作の部活を描くスポ根的な展開で明るい青春劇なのかな?と思わせておいて裏切られるという展開になった。

 

作品要素的には、小型ロボット競技会、巨大ロボ、ポケコンJAXA、SF、AI人格、ミステリー、陰謀、殺人事件など理系要素が多いのだけど、うまくストーリーが組み合わさっていない。

 

ロボワンなどにアニメの制作協力を仰いでいるしロボワン競技会も作中に出てくるもののそれは最初の方だけで、メインのお話にはならない。巨大ロボットを作るというメインのお話もさほど中心的でもないようにみえる。登場人物的にはメインのヒロイン・アキホに魅力が乏しかったな。アキホは巨大ロボ作りたいというわりには、そのための努力しているようにはみえない。巨大ロボの勉強していないようだし、ロボットの仕組みやらメンテとかうまくないようだし、資金を必要としているんだからバイトぐらいやるかというとやらないし、やる気あるのか?掛け声だけは威勢がいいんだけど中身がなかったな。アキホはとにかく巨大ロボットを作って動かすのが夢!という設定なのにこのような調子なのは、スタッフが本気でロボットについて勉強もしていないければ、ロボットに愛情がない、からだろうな。ロボットの設定とかいいかげんだものね。

 

ストーリー的にも無駄やら伏線未回収がいろいろあったなあ。あげてみると、

  • もう一人のヒロイン・オタクで天才プログラマーのフラウの母親にからんだ13人の殺人事件は結局解決しないままアニメは終了する。犯人つかまっていないのか?それともあのAI人格が犯人だったのか不明。
  • 片足ロボットのコンビニ店主・スミカがロボットの事故で死んでも警察の捜査が入らないのはあまりにも不自然。作中にも警察の話題が出ていているにもかかわらずだ。またスミカが殺され、仲間のスバルがケガをしたにもかかわらずアキホは万博へのロボットの出展を主張する。アキホの主張は何を目的としているか不明で、わがままにしか映らない。
  • 国会議事堂を占拠するほどのロボット暴動を起こしていて警察も自衛隊も捜査していないし、犯人は自由にロボット展示会に参加している。この世界の警察は存在しないのか?
  • 君島リポートを探しだして世界中にウイルス拡散させたのは単なるテロ目的だったのか?だったらわざわざあんな探索ゲーム設定いらないだろう。このテロでも警察は捜査をしないし、まわりはなんら犯人について詮索しないというフシギ。
  • アキホの姉・ミサキがAI人格に操られて悪事を働いていたという設定がわけわからん。物語の前半では操られている様子は全くない。あれは自分の意思で動いているだろう。それがラストで急に操られていた、しかも高校時代からそうだったという設定が出てくる。操られてメチャクチャやるのだが、ラストで急に自らの意志の強さで洗脳から脱出できてしまうという陳腐な展開。だったらもっと早く洗脳から脱出できただろう。
  • ゲームの天才で主人公・カイトはゲームプレイヤーとしては世界第5位に強いレベルであって、それ以上の順位のプレイヤーはチート、つまりイカサマを疑ってカイトとフラウはネット上で捜査を行う。しかし、上位プレイヤーは殺されていた。このエピソードの解決はなかったよな?カイトのチート能力が他のプライヤーにもある設定、があっておそらくそれと関係していたんだろうが説明なし。
  • 世界50億人を殺害しようというトンデモ計画が進行しているというのに、警察も自衛隊も各国政府機関も何もしないフシギ。突然出てきた地元住民と高校の級友達が友達感覚で協力してロボットバトルで解決を図る。ってあまりにも不釣り合いな解決方法だろう。
  • 途中でモノポールなる物体が空から落ちてきて、これを巨大ロボの関節モータへと活用するエピソードがあるが、空からいくつもモノポールが落ちてくる。特に説明もないがこれじゃご都合主義すぎてつまらんよなあ。
  • ネット上にいた少女アイリが実はリアル世界に実在していて冷凍保存されていた。冷凍されていた理由が不治の病に侵され死にかけていたからとりあえず冷凍保存して治療法が開発されるのを待つためだった。しかしなぜかカイトは警察に連絡、後にアイリちゃんは病院で目覚めている。あれ、病気治療してる描写ないよね。冷凍されていた時間も短いはずだから治療法だって開発されているかわからんし。いいかげんなストーリーやな

 といろいろあったが、内容の要素としてあげるとすると、小型ロボット格闘戦、巨大ロボット制作、ミステリー、SF,青春モノ、JAXA、AI人格といろいろな要素を詰め込みすぎてきちんと整理できなかった作品になってしまったんだろう。せめて小型ロボット制作と格闘戦について詳細に描いていくほうが、ロボット部活青春ものとして楽しく描けたのではないか?

その他脚本的な不満として、

  • 部活の仲間の人物的な掘り下げが不十分だった。仲間とのつながりを意識することが少なくバラバラな人間関係であった。
  • ラストで地元住民と突然協力関係になるが、もっと交流を描いてもよかったろう。JAXAとの交流だってあるべきだし描くべきだった。
  • 他校とのロボット対戦バトルとかしないのか?ロボット部活はどうでもいいのか?
  • 巨大ロボット制作している会社はたくさんある設定なのに、まったく他社の巨大ロボを見学にいったりしない。まるで巨大ロボには興味ないようだなあ。
  • ヒロイン・アキホと姉・ミサキの過去のからみがよくわからないまま。よく出てくる割にはロクに描かれていない。
  • 理系要素がない。プログラム組むシーンとか図面を引くシーン、ボルトを回したり、旋盤を切ったりネジを回したりというシーンがないともの作りしているように見えない。
  • ノイタミナ枠はオトナも見れるアニメを目指しているのだけど、その割にはアキホの人物設定は子どもすぎる。カイトも自主性がありそうでない。

 

教訓として考えられることは、

とにかく作品のテーマというか雰囲気というものは大切にしてテレビシリーズの途中からの路線変更はやたらにやらない方がいい。脚本的にはバラバラに毎週やらないほうがいい。まとめたエピソードはその週で消化する。伏線回収もその週のうちに行うとしないと、わけがわからん作品ができあがっちゃうな。