アニメ猫のアニメ日記

アニメに関しての情報を書き連ねていきます。

「ペルソナ4」の魅力を分析してみよう


「ペルソナ4」を視聴したらなかなかおもしろいので、おもしろさを分析してみる

ペルソナ4 - Wikipedia 

(監督 岸誠二 シリーズ構成 柿原優子 脚本 柿原優子、広田光毅、熊谷純)

このシリーズはゲームが原作のシリーズものなのだけど、いままでみたことなった。しかしペルソナ4はDVDディスクが30K-40Kも売れる大ヒットとなった。

ペルソナシリーズ - アニメDVD・BD売り上げまとめwiki (リンク切れにより削除)

ストーリ的には3つの柱がある。

正体の分からない犯人の謎を追うミステリ要素と、異世界で繰り広げられるバトル、その合間の日常を通じて繰り広げられる青春群像劇がある。

まずは、ミステリ要素は近年のアニメにしては珍しいぐらい本格的な推理成分があり、脚本との整合性が取れ、ストーリー上の破綻がない。フシギな異世界物を混ぜたストーリーはミステリ推理要素がいいかげんになりがちだが、きちんとした推理モノとして成立するレベルで脚本が組まれている。

また、主人公をとりまく人物達の日常生活はきちんと描かれていて、食事シーンなどが多い。こちらの日常生活シーンの方がバトルシーンより人気が高いかもしれない。

異世界でのペルソナという武器を使ったバトルシーンはアニメだけではよく理解できるようになっていない。ゲームを見てキャラを理解していないと武器の性能やらわからないだろう。

本作の魅力はミステリー仕立ての推理部分とバトルや日常生活を織り込みながら仲間を構築していく所にあるだろう。

脚本的には

シリーズ構成の柿原優子さんの回は女性の感情とかうまく描けていたりして、おもしろいと思う。逆に熊谷回はいまいちな印象。このアニメでは最近のアニメにありがちな、現実にはありえない萌え表現とかツンデレとかの演出がない。よりリアルな脚本や演出でストーリーが流れるのもある意味新鮮である。

シリーズ構成としては全体の作品の統一感がしっかりしていて、無駄な伏線やら思わせぶりな演出がなく、脚本やストーリーに大きな破綻がなかった。

しかし、各回の冒頭にある「ベルベットルーム」なるフシギな部屋で占いをやるのはストーリー上不要だったんじゃないかなあ。

他にも、文化祭ネタとかは無駄とはいわないが、そんなにやる必要あったかなあ?中盤あたりはかなり中だるみしていたようだけど、人物描写に尺を使ったほうがよかったとは思うんだけど。

あとこのアニメは時系列をわかりやすくするために、わざわざカレンダー上をスライドさせて、「今」がどこにあるのかを表示してくれる。これってミステリーのように時間が重要なストーリーを見る時には親切だね。親切すぎてヤボなきらいはあるけど。

各キャラをみてみる

主人公・ユウは一年間だけ田舎のおじさんのお家に厄介になるということでやってきた設定。性格的には感情の起伏が少なく表に表さず、寡黙なのでいまいちどんなこと考えているかわからない。正直、主人公としてはいまいちストーリーを引っ張る力が弱く、魅力に欠けるかな。他人に流されるタイプ。ペルソナは強い、という設定もよくわからんかったし、女の子にモテる理由もよくわからんし。キャラがいちばんぶれまくっていたのがこのユウという主人公だった。

最初はヌイグルミで登場する、クマも何の必要性があるのか、どういう経緯で出てきたのか不明だった。後から人間の姿になったり、実はシャドーだったとか、ナゾの設定があっても根本的な疑問への解決はなかったな。必要な登場人物だったかねえ。

このアニメ仲間が、ドンドン増えていって途中からみんなで行動するようになったけど、そんなにみんなで一緒にいる必要性ってあったかなあ。バトルでみんなで一緒に戦う必要があったといえばあるか。登場回以外はモブキャラになるぐらいなら一緒行動する必要は薄いような気がするけどねえ。

実は女の子だったという、男装の高校生探偵。途中から出演するけど、本格的に関わってくる回からやっぱりペルソナで戦うことになっちゃう。推理とかあんまりしなかったな。

このアニメの唯一のロリキャラ、小学一年生の堂島ナナコの描き方はこのアニメの生活感を作っていたかもしれない。キツネに傘をあげてしまったりとカワイイエピソードが多かったし、おそらく人気キャラだろう。ストーリー途中で一度死んで蘇生するエピソードはこれ必要かなあとか思ったな。死んだ所で、周囲の人たちの悲しみのシーケンスを描いて、最後をハッピーエンドでしめくくりたかったということだろうか。

主人公の相棒・花村ヨウスケが終盤で、主人公ユウと殴りあうシーン。まったく理由を説明せず、「オレを殴れ」といってたがなんだったのか?あれ意味ないよな。

中華料理屋の出前娘・アイカはアニメオリジナルらしいが、意味もなく出演して出前を届ける。ワシ的にはおもしろいジョーカー的キャラではあった。でも中華料理屋での巨大な肉丼のネタとか必要だっただろうか?

温泉回で、元アイドルのリセが、露天風呂で、女性陣が時間を間違えて男性陣に迷惑をかけたというのに、「覗いたのは同じことでしょ!痴漢!」と逆切れ。いや、覗いてないし痴漢もしてないのに。これで仲間の絆っていってもなあ。絆を強めるエピソードではなく単なるギャグ回でしかなかった。

アニメのラストでは異空間と現実世界が融合して、現実世界がメチャクチャになり現実の町並みが破壊されていくエピソードがあるんだけど、なぜか主人公が故郷に帰るシーンでは町並みが復元されていたようだけど??。。あの町が破壊されたのは何だったんだろう?(ここは総集編の映画で、町並みが破壊されていないシーンがバトルシーンの後にあったので理解した。テレビ版では町並みが破壊されていなかった、というシーンがカットされていたみたいだ)

ラストのラスポスらしい巨大目玉とのバトルってストーリー上必要だっただろうか?そんな尺があるなら、真犯人の過去とか、仲間とのその後について描いた方がよくなかったか?長々とバトルで会話するのも退屈だったな。

殺人事件は解決したというか犯人は見つかったけど、あれ警察はどう処理するのかね。異世界での殺人だから証拠とか確定するの難しいし裁判にならないよねえ?

このアニメのミステリー+異世界バトルという物語の構築には成功しているけど、殺人事件の後始末とか考えだすと、どうなるのか気になってしまう。

ペルソナ4の魅力はプロットと謎解きの魅力

音楽がよかったりした部分もあるけど、ペルソナ4は各キャラの魅力がそんなにあるとは上記の分析からは思えない。各キャラの関わりあいもそんなに深くない。小学生キャラナナコと親とのつながりが強いかなという程度か。バトルシーンもよくわけわからず魅力的とはいいがたい。

このアニメでの魅力はミステリー的な雰囲気と二転三転する謎解きストーリーのおもしろさだ。

細かいツッコミどころがいろいろあっても全体としての流れが一定していれば、作品としてのミステリー風味は変わらないし、謎解きのおもしろさは同じように残る。

全体としては、音楽もいいし作画もあっているし、おもしろく見れるアニメだよね。特にミステリー好きな人にはいいかもしれない。